打ち込みドラムをほんの少しの工夫で生ドラムっぽくするアイディアの紹介です。
実際の音質にそこまで作用するアイディアではないですが、人が叩いたランダム性というか、音量やリズムの少しのヨレのような物を付け足す考え方です。
もちろん、ピシッと正確な打ち込みドラムが好きな方はそのままでもOKです。
ちょっとした人間らしさを打ち込み上で表現したい時に使ってください。
ベロシティ
まずはベタ打ちで聞いてみましょう。
使っている音源はいつものEZ DRUMMER2です。
改めて聞くとそのままでもある程度の完成度の高さですが、
今回はこれに手を加えていきます。
ベロシティで強弱を付ける
まずはベロシティを調整していきますので、ピアノロールを開きましょう。
ベロシティとは、電子楽器の演奏情報のやり取りをするための規格であるMIDIにおいて、音の強弱を表す数値のことである。 ベロシティは0~127の128段階あり、0は無音、127が最大の音の大きさとなっている。 ベロシティは、英語で「速さ」を意味し、鍵盤が押し込まれる「速さ」のことを指している。
ベロシティとは何? Weblio辞書
ここでは音の強さだと思ってください。
環境設定で【ダブルクリック時にエディターをウィンドウで開く】に設定しておくと便利です。
ピアノロールは下ゾーンのエディターで編集しても構いませんのでお好みでどうぞ。
キックをシンバルを強める
小節頭のキックやシンバルを強めてあげます。
マウスで範囲を決めて(ここでは縦に並んだシンバルノートをキックノートを選択している)下部の【ベロシティ】からゲージを上げてやります。
サビ頭の盛り上がりを作る時によく使ってます。
裏拍を弱める
8分で刻んでいるハイハットの裏拍を弱めてやります。
ベロシティを調節したいノート(音)を選んで、下部のベロシティで調節するのですが、
範囲をまとめて調節した場合、マウスで範囲を決めてやればよいだけので簡単です。
選択したノートが全て同時に調節されます。
今回のように裏拍のみといった場合、【Shift】+クリックで複数選択してやるとよいでしょう。
選択したら下部の真ん中あたりにある【垂直方向にスケーリング】で下げてあげます。
これでハイハットの裏拍のみが同じ量だけベロシティを下げられます。
ベロシティとクオンタイズのランダム化
人間が叩いたような微妙なヨレ具合を手入力でやるには相当な手間がかかってしまいます。
そんな時はランダマイズを使えばまとめて処理できます。
クオンタイズパネルでのランダム化
クオンタイズを適用したいノートを選択して
上部のクオンタイズプリセットの横にある
【クオンタイズパネルを開く】でパネルが出てきます。
青で囲った【ランダム化】の数値を決めて、【クオンタイズ】で適用されます。
設定したTicks分、ノートを前後にズラす機能です。
一般的に480Ticksで4分音符一つ分なので、
ランダム化の最大値【48Ticks】で
およそ1拍の10分の1ノートがズレる計算になります。
やりすぎるとただの下手な演奏になりますので注意してください。
ロジカルエディターを使ったランダム化
少し下準備が必要ですがロジカルエディターを使ってショートカットを作成してまとめてランダム化ができます。
適当なノートを選択して(ノートを選択しておかないとロジカルエディターが開けない)上部のMIDIから【ロジカルエディター】を開きます。
図の赤枠通りに設定していきます。
パラメータ1と2の数字を調節するとランダム化の幅を大きくしたりできます。
設定出来たら名前を付けて保存してください。
クオンタイズのランダム化も同じように設定していきます。
ベロシティとの違いは【実行対象】をポジションに設定します。
設定が完了したら名前を付けて保存してください。
ショートカットの設定
キーボードショートカットを開いて先ほど設定したランダム化のショートカットを割り当てます。
検索で設定した名前を入力すればすぐに見つかるでしょう。
ショートカットのカスタマイズはこちら↓
ショートカットを使ったランダム化
ショートカットで
【全体を表示】→【全選択】→【クオンタイズのランダム化】→【ベロシティのランダム化】
を実行してます。
自前で設定したショートカットキーも使用してますのでデフォルトのものとは違いますがこんな感じです。
青色のマーカーはカスタマイズしたショートカットキーです。
【Shift】+【F】全体を表示
【Shift】+【D】全選択
【2】クオンタイズのランダム化
【3】ベロシティのランダム化
まとめ
では聞いてみましょう。
ベロシティとクオンタイズを調整、ランダム化でこんな感じになります。
今回紹介したものは一例です。
ベロシティやクオンタイズだけでなくPAN振りなどを活用すればもっとリアリティのあるドラム演奏を打ち込みで表現できます。
色々な方法を試してみましょう。
※ロジカルエディターはCUBASE PRO版のみです。
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